帯下(こしけ) |
帯下とは、膣内から流出する粘液で、「おりもの」「こしけ」と呼ばれ、正常では無色透明でにおいがなく少量です。 量・色・においが異常であったり、かゆみなどの不快感をともなうものは、「帯下病」と呼ばれる病変です。 膿血性・雑色性の悪臭の強い帯下は悪性腫瘍などを疑うべきであり、妊娠中の多量の水様帯下は破水で流早産の前兆と考えられ、いずれも専門医を受診すべきです。 |
臭気をともなう帯下 悪臭夜なまぐさいにおいをともなう帯下は、湿熱の邪が衝任や陰道(膣) に侵入あるいは下注し、帯下を下迫したり醸腐させるために発生し、多くは非常な不快感をます。 トリコモナス・カンジダ・細菌などの感染症に相当します。 西洋医学的な治療が奏効しますが、体質的なものが関与してくり返す場合には、中医学的治療のほうがすぐれています。 |
弁証 | 主症 | 治法 | 代表方剤 |
湿熱 | なまぐさい乳白色の帯下、または黄緑色の 悪臭のある帯下、または粘稠で血性の帯下が 多量に発生、外陰部の掻痒・膣内の痛みなどの 症状があります。 |
清熱利湿 | 茵ちん五苓散 |
肝鬱湿熱 | 黄色または白く粘稠で悪臭のある帯下に 血が混じる、いらいら・怒りっぽい・胸脇部が 脹って苦しいなどの症状があります。 |
清肝瀉火 除湿 |
竜胆瀉肝湯 加味逍遥散 |
臭気のない帯下は、膣内の分泌の増加であり、主として虚弱が原因で多くは慢性に経過します。日常的に帯下があるために、慣れていたり正常であると思い、それほど強い不快感を訴えることは少ないものです。体質的な病変ですから、西洋医学的な治療は有効ではありません。 |