慢性腰痛 |
腰痛は、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中でも、特に腎と密接に関係しています。 腎は、人の成長・発育・生殖・老化に深く関係する臓器で、加齢とともに衰えていきます。腰痛が高齢者に多くみられるのも、腎と腰痛とが密接に関係していることを表しています。 こうしたことから“腰は腎の府”といわれています。ギックリ腰などのように、若い人にも腰痛は起こりますが、こうした若年性の腰痛にも腎が関係しています。 生活の不摂生や過労、ストレスなどが重なると腎の機能が衰え、それが引き金となって腰痛が発生するのです。 |
腰痛の主な症状 | 対処法 |
・冷たく重い痛み ・曇りや雨の日、夜間に痛みが強くなる |
冷えや湿気を取り除く |
・腰や下肢の脱力感 ・重い物を持ち上げたり、打撲が腰痛のきっかけに |
血液循環をよくする |
・年をとってから腰が痛むように ・腰や下肢に脱力感 ・疲れやすい |
からだ全体の精力・活力をつける |
弁証 | 主 証 | 治法 | 代表方剤 |
寒湿 | 腰部の冷痛、重苦しい、活動不自由、 曇りや雨の日に腰痛がひどくなる、 腰部を温めたり揉んだりすると痛みが軽減する。 舌質は淡、舌苔は白膩。 |
温経散寒・ 除湿止痛 |
桂枝加苓朮附湯合 疎経活血湯 |
血オ | 腰部を刺すような痛み、痛い所が固定しており、 活動の不自由、痛い所の皮膚が青紫色になる。 舌質は紫暗、オ点やオ斑、舌苔は薄白。 |
活血化オ・ 通絡止痛 |
冠脉通塞丸合 疎経活血湯 |
肝鬱気滞 | 腰から脇肋部に疼痛がおよび、緊張やストレスによって 誘発されたり増強し、肝気の昇発する夜明け頃に疼痛が強くなる。 |
疏肝行気・ 止痛 |
柴胡桂枝湯 |
労損 | 腰部が硬く、活動が不自由、痛みは疲れると増強する | 益気活血・ 止痛 |
補中益気湯合 疎経活血湯 |
腎陽虚 | 腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感、 腰が疲れ易い、ちょっと仕事をすると腰が疲れて痛くなる。 寒がり、四肢の冷え、夜間の頻尿などを伴う。舌湿は淡 あるいは淡紫、舌質は薄白。 |
壮腰温腎・ 活絡止痛 |
牛車腎気丸 又は, 鹿茸大捕湯 |
腎陰虚 | 腰痛、腰部の活動不自由、しばしば腰や下肢の脱力感 腰が疲れ易い、めまい、手足のほてり、潮熱、寝汗などを伴う。 舌質は紅、舌苔は薄黄。 |
滋陰補腎腎 壮腰止痛 |
杞菊地黄丸 |