現在、医療面において主流となっている癌治療は以下の三通りが挙げられる
といって良いでしょう。

外科療法…外科手術をする。
放射線療法…放射能を照射する。
化学療法…抗癌剤を投与する。
しかしながら、悪性腫瘍をこれらの組み合わせによる集学的療法で完治させ
というものは残念ながら少ないのが現状です。癌の発生によって全身の機能は
障碍を受けていて一般症状は低下しているものです。

外科療法でも、放射線療法でも、化学療法でも、どれをとってもリスクは免れない「つきもの」なのが現状なのです。
最近、行われている腫瘍内の温度を上げ腫瘍細胞を死滅、壊死に至らしめるという温熱療法や腫瘍組織を凝固させる方法などもあります。これとて、この療法だけでは治癒は望めず、他の療法と併用しなくてはならないのです。

 

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外科療法…外科手術をする
外科手術の場合は、癌の発生が一つの臓器だけに限られている時、それを全て切除してしまうことができれば、治癒の可能性はかなり高いのです。
臓器によっては、腎臓では片側を取ればその機能の70%は保てて、生活には差し支えありません。また臓器によっては、一時的に機能低下などが認められても、代償機能により機能改善があり、後遺障害のあまり起こらないものもあると言えるでしょう。しかし、このことは同時に臓器の一部分を失ってしまうという、大変恐ろしいことでもあるのです。臓器によっては、細胞が再生するものもありますが、肝臓くらいのもので、それも、元どおりとはいかないでしょう。手術後にその臓器の機能が一時的にでも低下することは避けられません。私たちの体で不必要なものはなにもありません。
喉頭癌であれば発声機能が、肺癌であれば呼吸機能が、胃癌であれば消化機能が、大腸癌であれば水分の吸収や排便機能が、腎臓・膀胱癌であれば排尿機能が、子宮・卵巣癌であれば生殖機能が、それぞれ低下、またはなくなるのです。
臓器によっては、ホルモン分泌にも影響を及ぼし、免疫機能も低下させ、したがって、種々の後遺症が発生することも考慮して、できるだけ小範囲の切除にとどめなくてはなりません。ただ、癌には周囲に、さらに遠隔の場所へ転移するというやっかいな特徴があり、その危険性を避けるためには病巣だけでなく、病巣に関係する周囲のリンパ節まで含めて郭清(切除)することが
必要です。しかし、大きな手術というのは体に大きな負担をかけてしまうので、人の体にとって大切な役割を持つ免疫機能をも低下させるという問題もあります。このことによって、癌治療のための手術や放射線治療・化学療法が免疫機能を含め、体のバランスをくずし、体の一般状態を低下させ、かえって悪化させてしまう場合もあるのです。
また、目に見える癌細胞の塊である病巣は切除できても、周囲へ広がった目に見えない癌細胞は取り残してしまうかもしれない、という危険もあります。



放射線療法…放射能を照射する。
 放射線療法についてですが、これにも同じようなことが言えます。手術による外科療法と違い、比較的組織の欠損は少なくて済むのですが、100%癌細胞を取り除くことは難しいし、放射線を浴びることで局所の症状以外に体の免疫力や各臓器の機能は低下してしまうのです。副作用も、白血球減少、貧血、吐き気、嘔吐、倦怠感から、粘膜損傷、皮膚潰瘍、むくみ、神経障害・消化及び循環器障害など多岐にわたって起こす可能性があります。広島・長崎での被爆者を考えれば判断できると思います。その上、抗癌剤療法や放射線療法の場合、各機能の低下や生体の免疫力低下、それらによって生ずる更なる副作用によって抵抗力の減弱した体に、より以上の刺激が加わって、さらに悪化することもあるのです。そこで少しでも症状をよくするために、ビタミン類や強肝剤などが使われているのです。



化学療法…抗癌剤を投与する。
手術とあわせて抗癌剤や放射線が用いられるのですが、そこにもまた大きな問題が存在するのです。白血病や悪性リンパ腫のような血液の癌の場合は、抗癌剤やホルモン剤などの投与によって治療していくしかないのですが、抗癌剤には強い副作用があり、癌細胞だけではなく正常な細胞まで機能を低下させ、場合によっては破壊してしまうのです。ホルモン剤も体のバランスをくずします。
この抗癌剤の副作用の例としては、胃など消化器系の機能が低下することによって生じる食欲減退、悪心、嘔吐、下痢、さらに疲労感、膵及び肝機能・腎機能障害、脱毛、白血球減少、血圧の変化といった症状などが挙げられます。



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