せき・ぜんそく と 漢方薬 (2) |
基本処方は小青竜湯と五虎湯 咳の治療は、大きく肺寒と肺熱とに分けます。 肺寒の咳はからだの冷え、水様性のタン、うすい鼻水、、うすい唾液を出す、尿が透明といった症状を伴います。 こうした咳には呼吸器の水分代謝を整えるとともに、鎮咳作用のある小青竜湯が適しています。 小青竜湯は鼻炎の治療薬として知られていますが、咳の治療にも使われます。 症状はともに水様性で重複的に現われます。 一方、肺熱の症状は粘くて黄色いタン、のどの乾き、激しくせき込むなどの症状が特徴です。 こうした症状には五虎湯を用います。五虎湯は強い消炎作用で肺の炎症を鎮めるとともに、咳を抑える効果にも優れています。 症状に応じて甘草湯と麦門冬湯 小青竜湯と五虎湯が咳の基本処方ですが、咳の症状は個人差があり、しかも慢性化しやすいのが特徴です。 症状によって、次のように使い分けます。 ●からだが虚弱な人の咳は、症状もあまり強くありません。 従って作用の強い薬を使いません。 こうした咳には軽い消炎作用があり、のどの粘膜を保護する働きのある甘草だけでできている甘草湯が適しています。 ●肺熱の咳は、慢性化すると熱のためにからだの栄養水が乾燥し失われます。そのため、肺に潤いがなくなって乾燥性の咳(空咳)に変わります。 高齢者にもよくみられる症状です。こうした咳には、呼吸器に潤いを与える麦門冬湯を用います。(ただし慢性化した咳でも、軟便・下痢をともなっている場合には使わないようにしてください。 (咳が慢性化したときに確認していただきたいのは、胃腸の状態。かりに軟便・下痢になっている場合には、胃腸が 弱っていると考えられますから、麦門冬湯ではなく六君子湯を使います。) |
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