ピロリ菌と胃潰瘍・12指腸潰瘍

消化性潰瘍の成因

消化性潰瘍の成因を説明する考えとして、古くから酸やペプシンなどの攻撃因子と、粘膜を守る粘液や重炭酸 分泌などの防御因子のバランスが乱れるために起きるというバランス説が持ち出されていました。
しかし、それではなぜバランスが乱れてしまうのかという消化性潰瘍の基本的な成因の説明になっていません。
ところが、約20年前に、ヘリコバクター・ピロリという細菌がヒトの胃粘膜から培養され、それが胃炎や消化性潰瘍患者に高率に存在し、こうした疾患の原因として重要視されるようになってきています。というのも、この菌を成因と考えることで、消化性潰瘍の基本的な成因が、かなり明快に説明できるからです。
すなわち、この菌が存在すると生体の調節機構が乱れ、酸分泌のブレーキが効きにくくなること、粘膜機能が低下して攻撃因子に体する耐性が低下すること、さらに生体自身による炎症反応によって組織傷害因子が産生され、血流障害など様々な悪影響が起こりやすくなることが明らかにされ、潰瘍になりやすい条件をつくってしまうことがわかったのです。
もちろん、すべてのヘリコバクター・ピロリ感染者が潰瘍になるわけではありませんが、少なくともこの菌を持っている場合には、潰瘍発生のリスクが明らかに高くなることも報告されています。

この消化性潰瘍の大きな要因とされるピロリ菌について、今回 薬局に置いてあるパンフレットから、北海道大学医学部の先生のピロリ菌についての解説書から抜粋してみました。              

ナガエ薬局       ● 参考 胃の構造       

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