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インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる呼吸器感染症である。 このウイルスは、核蛋白複合体の抗原性によってA型、B型、C型に分類される。 A型、B型のウイルス表面には、2種類の糖蛋白の突起、へマグルチニン(H)とノイラミニターゼ(N)がある。これまでにA型にのみHとNの抗原性が異なる複数の亜型が認められている。H15種類(Hl−H15)、N9種類(Nl−N9)である1)。 これらに対する防御のための抗体をもっていれば感染を防ぐことができる。 しかしこれまでにない亜型、すなわら新型ウイルスが出現すると、世界的な大流行となる可能性がある。現在世界にA/HINl型、A/H3N2型、B型が分布する2)。 これまで知られているすべての型のインフルエンザウイルスは、水鳥から分離される2)。 ウイルスの運び屋として渡り鳥が注目されている。 1997年、香港でH5Nlインフルエンザウイルスが出現し、.18名が羅患し、うち6名が死亡した。感染源である市場の家禽の殺処分によって流行は終息した。 このウイルス感染症は死亡率が13才より上の年齢で高く、消化器症状が強く、合併症の頻度が高いという特徴があった。また、トリからヒトへ直接感染し、ヒトからヒトへの伝播力は非常に弱いことが明らかになった2)。 もしヒトウイルスとの交雑体が生じていれば、ヒトからヒトへの伝播力を持つ新型ウイルスの大流行となった可能性がある1)。 インフルエンザウイルスの潜伏期間は短い(1〜4日)。発症時は、突然の悪寒と発熱がある。頭痛、咽頭痛、筋肉痛、倦怠感、咳などの呼吸器症状を伴う。熱は24時間以内に38〜40℃のピークに達し、1〜5日続く 2)。 流行が確認されていれば診断は比較的容易であるといわれる3)。 インフルエンザ羅患時の種々の症状の出現頻度に年齢によるちがいが見られる。また、年齢に特有の症状がある。 小児は成人と比べ重篤になりやすい。発熱が39℃〜40℃と成人より高い傾向があり、嘔気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が目立つ事がある 4)。 喉頭炎、中耳炎、結膜炎、痙攣(seizures)2)の他、肺炎、脳症・脳炎などの重篤な合併症を起こしやすい 4)。 一方高齢者では成人の症状と本質的に大きなちがいはみられない。嘔吐が非常に少なく、筋肉痛、悪寒はそれほど多くない。咳の頻度が高く、呼吸困難を伴う事がある。肺炎の合併率が高いことが重要である。このことは、成人にくらべて予後が著しく悪く、インフルエンザの流行時に高齢者の死亡率が増加する原因のひとつとなっていると考えられる。5) ・資 料・ 1)清水一史:インフルエンザウイルスの抗原性変異のメカニズム・日本臨床,58:2199−2205,2000. 2)Cox NJ・Subbarao K:Infuenza・Lancet,354:1277・1282,1999 3)渡辺 彰:インフルエンザと他疾患(普通感冒や肺炎など)の鑑別・治療、82:2717−2721,2000. 4)田中修二:かぜ症候群としてのインフルエンザー臨床像、鑑別診断、治療、予後.小児における臨床的特徴.日 本臨床,58:2238−2243,2000. 5)池松秀之・柏木征三郎:かぜ症候群としてのインフルエンザー臨床像、鑑別診断、治療、予後.高齢者における 臨床的特徴.日本臨床,58:224412248,2000. |
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