紅麹とは
 紅麹とは、お酒や味噌・醤油などを作る時に使用される麹の一種ですが、一般の麹とは異なり 鮮やかな紅色をしているので 紅麹と呼ばれています。
古くから中国・台湾地方で紅酒、老酒などの製造原料として利用されていました。
国内では、沖縄で「豆腐よう」と呼ばれる豆腐の発酵食品が 琉球王朝時代の上流社会でわずかに生産され、病後の滋養食として珍重されていました。
この紅麹から、遠藤章氏らは「モナコリンK」(mevinollin、lovastatin とも呼ばれる)を発見しました。

「モナコリンK」のコレステロール低下作用
コレステロールは、アセチルCoAを出発物質として、20数段階の反応を経て合成されます。
アセチルCoA
HMG−CoA
メバロン酸
スクワレン
コレステロール
この中でHMG−CoAからメバロン酸への還元が最も遅い反応(律速反応)で、この還元反応に関与する酵素をHMG−CoAレダクターゼ(reductase)と呼びます。
したがって、このHMG−CoAレダクターゼの作用を強力に阻害すれば、コレステロールの生合成が抑制されます。
更に、合成が抑制されると 肝細胞膜上のLDL受容体が増加するため、血中からのコレステロール取りこみを増し、血中のコレステロールを下げる効果があります。

近年、高コレステロール血症に繁用されている「メバロチン」「リポバス」などの医薬品は、この「モナコリンK」をもとに開発されたものです。


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