クローン
クローン     クローン技術


クローン(ギリシャ語で「小技」の意)、つまり遺伝子 組成が完全に等しい同一の個体を作製する技術です。
クローン技術は古くから農業においてアジサイの挿し木、ジャガイモの塊茎、ヤマイモのむかご(種芋)による増殖等において使用されてきましたが、近年哺乳動物においても、遺伝的に同一なクローン個体を作製する技術が可能となってきました。
クローン技術には、ドナー細胞として用いる細胞の種類によって
@受精後発生初期の胚の細胞を用いる受精卵クローン技術と
A皮膚や筋肉などの体細胞を用いる体細胞クローン技術の2種類があります。
その作製方法は、ドナー細胞(クローンを作りたい細胞)をレシピエント卵子(未受精卵子から核を取り除いた除核卵子)の透明帯と細胞質の隙間に挿入(核移植)し、これを電気的刺激により融合(電気的細胞融合)させると同時に細胞分裂を誘起し、約1週間の培養後、仮親の子宮へ移植・受胎させ、クローン個体を誕生させるというものです。
1996年ロスリン研究所で雌羊の体細胞を使ったクローン羊「ドリー」が誕生し、世界の注目を集めましたが、すでに受精卵クローン牛は1993年に食肉として、1995年には牛乳が出荷されており(しかし体細胞クローン牛については出荷されていない)、さらに2000年には移植医療を念頭においたクローン豚の作製にも成功しています。
しかし、現在世界的にクローン技術のヒトへの応用は禁止されており、わが国においても「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」が制定され、懲役刑も含めた罰則が適応されることとなりました。


ナガエ薬局−HOME ナガエ薬局−漢方館 ナガエ薬局−情報館
漢方薬の一覧