「無症状高血圧症」は体のバランスを整えて直す

 よく、血圧が高いのに症状がないことがあります。
これは高血圧に特有の症状がないだけであって、実際にはからだの不調を示す症状が起こっているのですが、症状がいつの間にか消えていたり、違和感を感じないのです。
 しかし、陰液の不足が進み、バランスがくずれて活動エネルギーが相対的に高ぶり進むと雲の上を歩いているような感じのめまいや頭痛、イライラ、のぼせなど、高血圧によくみられる症状が起こります。
また、場合によっては、からだの先端部に栄養物質が行きわたらなくなるので、手足のしびれなども現れます。
 ただ、このような症状が長くは続かず自然に回復する場合には、自己調節機能がまだ正常に働いていると考えられます。
ですから、この時期に、たまたま健康診断などで高血圧がわかったからといって、むやみに降圧剤を使うのは、必ずしもよいとはいえません。
血圧が高いのに高血圧の症状がない「無症状高血圧症」に降圧剤を使うと、場合によっては、かえってバランスをくずすこともあるのです。
 中医学では、このような場合、単に血圧の数値だけに目を奪われることなく、陰液と活動エネルギーのバランスを調整するための治療を考えます。